花糸ギャラリー

四季の4コマ刺繍

 
Gerda Bengtsson Haandarbejdets Fremme

昨日ふと10年も前に刺したままのものを額装しました。
これを刺していた時期、いろいろな事がありました。そのころの想い出のためにもいつかは何かにしたいとも思ってはいたのですが。

それにしてもこんなものをどうすれば格好が付くのか。長年、刺繍はもっぱらバッグの中でじゃまにならないお暇つぶしだったので、外出先で暇がやたらある時期が続くと、こういう詰め込みすぎのものをいろいろ作ってしまうのです。出来上がった後、仕立てるとか飾るという前提がなく、ただぎっしり刺すところがあって小さくバッグにしまえるものということで。

昨日はあまり期待もせずに、マットや縁取りなしで小さめのサイズの額に入れてみると、額いっぱいの4コママンガのようなレイアウトから元気がいっぱいあふれて出して来ました。本当ならシックな実や色づいた葉のものを飾る時期なのですが、これを飾ると陽ざしの弱まったけだるい秋の室内がとても明るくなりました。こういう生活風景ものは戸外の明るくなる春に楽しむことが多かったのですが、秋にもいいものですね。なんともいえない元気が出てきます。
記憶も薄れた十年前にも、これを刺すことでずいぶん元気づけられていたのでしょう。

HFものに失敗作はない、といつも思っています。途中でつまらなくなってもう刺さないと思ったものなど、思いきって切り取ってしまい、ピンクッションやマグネットにする事があります。
こういうそれなりに出来上がったものは、中断したものより更に手をつけかねるのです。でもとりあえず額に入れてみると、それなりになるのがさすがだわと思いました。いやそれにしてもひどいレイアウトだわ。もうちょっと先の事も考えて刺し始めなくてはね。