花糸ギャラリー

おひなさま

 
00-1234 Haandarbejdets Fremme

これはとても難しい作品でした。
花糸のクロスだけなのでもちろん技術的には簡単なのですが。デンマーク人であるデザイナーが写真だけで起こしたチャートらしく (そういう例が他にもあります。)、なまじ実物を知っている日本人にはどうもなんだかなあと思うところが多くて刺していてとても心地悪いのです。ぼんぼりの脚が途中で消えていたり(コワイ)。
HFではベングトソンの次に有名なデザイナーのものです。でも私はこの方のものはちょっと苦手。同じ色形が延々と続く作品が多く、大作で懲りてからは小さなものをたまに刺すくらいです。

これも海外のお店で見た時おもしろさでつい買ってしまったのですが、危うく永遠に押入暮らしになるところでした。でも娘がいるママとしては、これ以上押入に仕舞いっぱなしのお雛様を増やすのも将来がコワイので(^^;、頑張りました。

幸か不幸か、下にお手本を敷いて書いたお習字のような感じなので、HFものでは始めてですが気ままに糸やデザインの変更をしました。画像で見ると着物の袖くらいしか違いは解らないと思います。ボーダー部分はこの中では一番というか唯一良い部分だと思いました。このデザイナーはこういったデザインがとても上手で有名なのです。その分、たとえば両脇の植木の部分などはどうしようもない出来と思うのですが。しかも花糸の色が変わったため、2色で刺しても同じ色になってしまい、古い糸で調整しました。金糸指定は、元はなぜか鼓の革の部分だけでしたが(・・)?、それは花糸にして、それ以外のかなりの部分で数色の金糸をふんだんに使いました。(一部銀糸)この手のおひな様というのはわびさびとは無縁なので。

刺し直したので裏はぐちゃぐちゃだしリネンが伸びた部分もあるのですが、とにかくまあ出来ました。私には最後までとてもなじみにく作品でしたが、縁の線も入れて仕上げて見るとボリュームがありなかなかの出来、額装が楽しみです。

追記:初めて額装をプロにお願いしました。大阪の老舗のお店で近くのかめしまの作品もこちらでという事だったので。結果は…出来上がりを一目見てそのまま仕舞い込みました。 やり直しも出来ないようで。というわけで、ここでは画像ソフトで額縁を付けてみました。こっちの方がずっといいわ。