家から1時間ほどのところに、クリュニーのタペストリーが三ヶ月もあるという事が未だ信じられないまま、何度か覗いています。
本当は日参したいところだけど、年内いっぱい仕事があり、暑さもあって体力的にちょっと無理。
それでも、旅先でごくまれにしか見れないのと違って、続けて見ると、毎回新しい発見の連続。
もちろん素人の目だから真偽は怪しいけど、どうせ判らないことだらけの作品。
若きベングトソンが、パリ遊学でこの作品を学び尽くしてフレメで花開いたと思えば、ただぼーっと見ているだけではもったいないという気がしてねえ。
これは前回パリで見た時の「ナイショウサギ」 見返りウサギとか勝手にネーミング
ただひたすら見ていた初回から、改めて行った二回目。
それぞれの違いが見えてきました。
パリでは狭いところにずらっとくっついて並んでいるので、全体でひとつという見方をしていたのですが、日本では数メートル離して四方に展示されています。
見ている人もパリに比べればずっと少なく、中央の椅子もないので、会場を思うままにふらふらできます。
それでやっと6枚をそれぞれ単独の作品として比べて見る事ができたのです。
違うー、どれも同じなんかじゃないー、というのがはっきり。
織りの技術はそれほど差がないのでしょうが、下絵が違う。
単に違うデザインというのではなく、また作品ごとに担当が違ったからというより、先にスタートしたものをたたき台に試行錯誤したという感じ。
もちろん同時期にセットで作られたものだけど、こんなに違ったなんて。
ということで、作品の制作順を想像。
最初と最後は、本などで解説もされているし、実際見てもそうだろうなと思います。
「触覚」が最初で、「わが唯一の望み」が終着点
問題は残り4枚
私は「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」の順だと思う。
「触覚」はかなりがんばって作ったという感じ。
周囲もすごく凝っている、失われた部分が惜しまれます。
「視覚」は、先が長いんだから動物とか手のかかるのはやめようという感じ。
「聴覚」は、結婚祝いなんだから(らしい)、やっぱりもうちょっと華やかにということで。
かなり苦労してあれこれやったという気がして、何かと無理が感じられる。
いろいろ注文主とかから言われたのかなあ。
とばっちりで一角獣が唯一無視され愛されていない作品になってしまった。
「嗅覚」これはそれまでのあれこれからやっと満足できる型ができたという感じ。
獅子と一角獣も安心して満足そう。
「味覚」 最後の唯一の望みがなければ、これがたぶんメインというか集大成にふさわしい作品かと。
作り手の気持ちを反映して一角獣がドヤ顔に見えるのは私だけ?
嗅覚のふて寝やさぐれ一角獣とは全然違う。
というふうに、自己満足してきました。