本の状態 -たかがスパイラル、されどスパイラル-

本の状態 -たかがスパイラル、されどスパイラル-

絶版の本の状態を気にして注文を迷う方が時々いらっしゃいます。
本当にフレメの本かどうかもはっきりしないでも、とりあえず買ってみようと無謀な海外通販をするしかなかった私としては、買った方がいいかしら?と言われても何とも言えないのですが。
次はいつ手にはいるか分からないのでとりあえず買って、あまりひどい代物に当たれば、後で買い直すという手もあります。

ダメージで困るものとしては、ページが抜けている、裂けているといった事ですが、幸い今までのところそういうのはありません。(でも使っていない図案の方が多いので気付いていないだけかも)表紙の多少の日焼け変色、書き込み、しわや折れ程度は見て見ぬふり。ページのシミはちょっと不潔で結構いやなものですが。

たとえばカレンダーに関しては意外なほど状態の悪いものに当たった事がありません。その代わり綴じたスパイラルの折れと皮膜の破れには悩まされています。見た目も気になりますが、開閉の都度ページがちぎれそうな気がして。

これはスパイラルが気になってもう一冊買ったのですが、そちらは中も外もきれいなのに断面の日焼けが少し強いので、選びかねて結局そのまま2冊共持っています。


でも不思議なのですが、傷みが気にならない場合もあるのです。
これは上から下まで一センチ間隔で皮膜が割れていて、持つと手がひっかかるほどです。でもデンマークの現地で最初に買った古書なので、手に入れやすい年度なのですが買い換えようとは思わないのです。これは女王の最初のデザインなのですが、中には女王様の新聞の大きな切り抜きが挟んでありました。古書の楽しさですね。


ところでこの困ったスパイラル、面白いものがありました。
これは傷みはないのですが、英語版(左)を買ってしまったので、デンマーク版(右)を買い直したのです。さて、この写真どこかおかしくありません?
そう、スパイラルがグリーンなのです。
フレメの本のスパイラルで白以外はちょっと記憶にありません。そもそも1960年に出たにしてはあまりにぴかぴかのスパイラル。
英語版のカレンダーと修復されたらしいデンマーク版、さてどちらを手元に残すべきだと思います?
訂正:その後入手した1960年も色つきで、Bahmann社の画像でもこの2年だけは色つきでした)

古書なら破損も我慢の範囲ですが、新書もボロ、というのもフレメには結構多いのです。ハードカバーが少ないので店頭で痛んでしまうようです。比較的短期間で完売するカレンダーに傷みが少ないのはそのためかも。
これは古書店ではなく、アメリカのフレメのお店で買ったのですが、最初から表紙と中身がちぎれていました。(スパイラルは困りものですが、たしかに糊付けより丈夫)
英語の翻訳が付いているという噂も聞いたのですが、もちろんそんなものは付いていませんでした。
古書店なら本の状態を表示する事もあるでしょうが、フレメのお店の方がキットや本の状態で悲しい経験は多いです。
ちなみにこの本、載っているチャートは多くはないのですが、どれもお気に入りで、半分は刺しました。ただもともと読み物としての本なので、英語はだめでもせめてドイツ語なら見出しくらいは読めるだろうとドイツのお店で再購入。ところがまたデンマーク語版が来てしまいました。
Bahmann 時代に日本のあちこちでこれが店頭に大量に出回ったのでお持ちの方も多いと思いますが、あれはたしかドイツ語版じゃなかったかなあ。

こうしてまた本箱が窮屈になって行くのです。

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