コレクターのつぶやき
私の本箱にはたくさんの花糸の本が並んでいます。
ヤマナシヘムスロイドでフレメに出会った最初の日に買った出たばかりの日本語版「デンマークのクロスステッチ」。
幼い娘の手を引いてのコペンハーゲンの古書店巡りで見つけた本。
いくつもの国に問い合わせてやっと残っていたのを見つけた本。
最近では海外のネットオークションでドキドキしながら勝ち取ったものもあります。
いずれもキットや材料とはひと味違う想い出多いものばかりです。
集めるなかで一番困ったことはどんな本があるのかすらわからなかったことでした。インターネットもない時代に欲しい書名も分からないままで地球の反対側で捜すのはとてもたいへんでした。
またデンマーク語の分からない国の古書店からはフレメとは無関係なものを買わされたり。
このサイトの前身は、一般の方に私の作品を見ていただくものではなく、実はお店に見てもらうための私の手持ちの本のリストでした。フレメのお店や会社や古書店に、これ以外なら何でもいいから送って下さいと頼んでいました。ネットが普及する前でしたので、見てくれるお店もまだ少なかったのですが。
そんな経験から作ったリストですので、未完なのにたくさんの方に参考にしていただけたのはとても嬉しいことでした。
私の十年分を数ヶ月で揃える方も見かけるほど、ネットのおかげで入手が容易になっています。
なかなか揃わないこともありますが、それもフレメの楽しみのひとつとして気を長く焦らず集めてみて下さい。
花糸の本は、50年以上前からたくさん出版されていますが、残念ながらそのほとんどが絶版となっています。
もし私がフレメに興味を持たれた方に何か一言といわれたら、申し上げることはただ一言。
「本は見つけたときに買っておきましょう!」
お財布の許す限り、本とチャンスに後ろ髪はないと思いましょう。
もちろん、10年以上前から今も手に入る本もあります。でもホンの数年で消えてしまった本(人気がないわけではないのです)の多いこと。また何年もほいほいと買えた本がある日突然ぷっつりと店頭から消えてしまうこともあるのです。
どうか無駄な労力と時間とお金(そしてなぜあの時買わなかったのかという自分に対する怒り)を恐れる方は、このおせっかいな一言をちょっと心にお留めおき下さい。