フレメ花糸

フレメ花糸

花糸は70年も前に フレメが古い染織方から生み出したとても個性的な刺繍糸です。オールマイティとは言えませんが、その風合いがたくさんの人に愛されています。
撚りのかかったちょっと太めの艶消しの木綿糸で、普通の刺繍糸2本分の代わりに一本で刺します。
(詳しくはリネンのページの表をご覧下さい)
リネンに適し、aidaには不向きです。

HF社はこの花糸の商標登録をしなかったらしく、花糸と呼ばれる糸がその後他社からもいろいろ生まれました。使い方は同じですが、色合い風合いがそれぞれ異なります。他社の花糸についてはこちら(リニューアル工事中)を。

お値段は、レートや国によって多少差がありますが、主要な国ではUS$1、EUR1、前後がひとつの目安です。

枷の準備  =切り方=

 こんなふうな普通の刺繍糸(DMCなど)なら糸を必要なだけ引き出して使いますが、花糸はいったん全部を広げないと使えません。
というわけ まずはチョキン。

〈 普通の準備の仕方 〉

このような形の枷のラベルを破らないように抜き、二つ折りになっている枷を広げます。
広げた枷に再びラベルを通し、両端2ヶ所を切ります。 数本長い部分は切り落とさずにそのまま使います。

 

〈 長めにしたい場合 〉

これでは糸の長さを好みで選べません。もし変えたい場合(長くしたい場合)は次のようにします。
むやみに長くするのはお勧めできませんが、古い枷はもうちょっと長かったので切った一本の糸も長くなり、それに慣れていると今のはちょっと短く感じるからです。
もつれさせてしまう危険はありますので気をつけて。私は失敗したことがないのですが。

  長くしっぽのようになっている部分をまとめてつかんでさらに広げます。束の流れにそってゆっくりと。
最後二つ折りになっているところまで広げたら、三等分に折り、ラベルを通します。上の画像よりずっと長くなっているのがわかりますか?

全部を広げなくても、最初の一周だけでもほぐして畳み直すと出っ張っているしっぽの長さがかなり揃って気持ちよく使えます。

摩擦に特に弱い糸ではありませんが、きれいな仕上がりのコツは、長すぎない糸を使うことです。
またあまり短くなるまで、そしてもちろんやり直しのためにほどいた糸で刺さないことです。(もちろんたくさんやり直す場合ですが)
やり直す時は、刺した部分を戻さず、切ってしまうのがリネンを痛めない正しい方法です。

糸の通し方

普通の通し方では太くて通しにくい 事があります。
一番のお勧めは、私が愛用しているGinnie Thompsonの方法です。
コツさえつかめばどんな糸でも位置でも一発で通せます。

刺し始め、刺し終わり

一本で刺すのでループで刺し始めが出来ません。しっぽを10cmくらいじゃまにならないところに通しておいて刺し始め、後でくぐらせます。花糸だけではなくクロスステッチに共通の事になりますが、玉結びはしません。
リネンの縦糸と横糸の交差位置の選び方も一般的なルールと同じです。

注意

=買う前=

花糸は昔から色が不安定でよく変わります。
ひとつの作品やシリーズの分量をまとめて用意してから刺し始めて下さいね。よく使う色はまとめ買いをお勧めします。
私はそういう色は一箱単位で注文しています。

出来上がり後 ー色落ち、日焼け

洗剤を使った水洗いによって色落ちする場合があります。糸によっては水やアイロンの蒸気だけでも色落ちします。
本や色見本帳に洗い方やアイロン法が載っていますので、一度は読んでみて下さい。
またリネン共々日焼けには弱いので額を掛ける場所に気をつけて下さい。

余談

もう一般の店頭で見ることはありませんが、大きな枷を見るかもしれません。10年近く前に規格が換わる前のものです。えーっ古いの〜なんて言わないで。長さが倍でお値段一緒だったので今から思えばとってもお得だったんです。
色もそのころのものの方が落ち着いたいい色のものが多かったので手持ちは大事にしています。ただ染めは古いものの方が弱いようです。

©1998-2010 CASA STITCHA